PRBC
パシフィック ライディングホース ブリーダーズ コミュニティ
Vol.1

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 5月の「The 25th EWPC Congress 2008」。Grandeに乗った小林は初日のInt Non Proディビジョンの1stゴーラウンドで139.0という高得点をたたき出す。右スピンは多少動いたものの、左スピンは軸がしっかりと止まり、サークルも比較的スムーズだった。スライディングストップも長く滑った。こうしたことが、アメリカからやって来たジャッジたちにも、総合的に評価されたのだろう。

 しかし、ストップに至るランダウンでは明らかに、馬の抑えがきかなくなっていた。「馬はショーイングの間に徐々に荒れていった」と騰馬。小林もスコアには満足したものの、馬が手の内にあるという実感は味わえなかった。「馬をコントロールできていなかった。馬なりだった」

 それは、続くOpenディビジョンの1st ゴーラウンドで、悪い結果となって出た。騰馬の騎乗したGrandeはサークルやスピンは落ち着いてこなしたものの、フィギュアエイトでキッキングをすると、その後はショーイングを嫌がり、コントロールできない状態に陥った。

 大会の圧巻はむしろ、ここからの騰馬の調整ぶりだった。大会2日目のAncillary Class Openディビジョンでは、Grandeに落ち着いてランダウンをさせ、その結果、スライディングストップもこれまでにないリラックスしたものになった。そして、同じ日のOpenディビジョンの2ndゴーラウンドでは142.0の高スコアを出してみせた。

 「良い状態で小林さんに馬を渡すことができた」。騰馬の言葉を待たずに、それは誰の目にも明らかだった。小林が最終日のLtd Non ProとInt Non Proの両ディビジョンでバックルを手にするのも決して夢ではない、と推測する向きもあったほどだ。しかし、蓋を開けてみれば、また同じ光景が繰り返されることになった。

 小林は最初に出場したLtd Non Proディビジョンでは、物見したためにハミを引きすぎたり、リードチェンジで脚を強く当てすぎたりした結果、Grandeのテンションが上がって崩れ、スコアは124.0。

 Int Non Proディビジョンの2ndゴーラウンドでは、さらにコントロールできない状態になって、左サークルが大きく膨らみ、思わず両手を使ってスコア0となってしまった。「馬の状態は良かったのに、いつもの悪い癖が出た」。小林が悔しがる、あいにくの結果となった。

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