PRBC
パシフィック ライディングホース ブリーダーズ コミュニティ
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 3月に入ると、PRBCの初の大会「The 1st Pacific Breeders Circuit 1st Scene 2008」を前に、小林も再び愛馬に乗り始めた。騰馬にしてみれば、2か月というそれなりの時間をかけて預かったのだから、Grandeが良い状態になっており、小林にもある程度良い体験をさせた上で、大会に臨ませることができると思っていた。だが、思うような結果は出なかった。

 Ltd Non Proディビジョンに出場した小林は、苦手な右スピンこそ軸が動いたが、左スピンはある程度止まった状態で馬を回すことができた。しかし、スライディングストップに至るランダウンでは、途中から馬がノーコントロールの状態に陥るいつものパターンの繰り返し。特に2回目のランダウンでは馬がキッキングをしてしまい、印象はさらに悪くなった。

 スコアは112.5。「やっぱり難しいなあ」。それが小林の率直な気持ちだった。乗っていても、馬が良くなったという実感はなかった。

 大会後、直ちに2人の間で反省会が開かれた。騰馬は小林に「小林さんは自分の能力を超えたところでショーイングしようとしている。ラージサークルではスピードを出し過ぎ。あれでは馬をコントロールできませんよ」と指摘した。

 ただ、この段階ではまだ、Grandeの状態が万全ではなかったと言ったほうがいいかもしれない。騰馬が騎乗したOpenディビジョンでもキッキングをするなど、反抗心が抜け切れていなかった。小林を変える前に、まずは馬を完全に変えていく必要があった。

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