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Vol.1 |
小林が愛馬の変化を感じ始めたのは、ちょうどこの時期だ。平日、Mrを乗り終えると、騰馬がGrandeのトレーニングの様子を見せてくれる。そこには、今までとは違った愛馬の姿があった。ゆっくりとした駈歩をするようになり、スピンやランダウンの時も落ち着いている。 「どうしてあんなにゆっくり駈歩ができるのかね」。小林が尋ねると、騰馬が「ゆっくり走るのは難しいですよね」ととぼける。そんな余裕も生まれてきた。 騰馬がGrandeにスピンをさせて状態がよくなったら、小林に乗り替わらせるということもあった。小林は軸が動かないスピンを体感し、愛馬の進歩を肌で感じた。この体験が続く大会で、ある程度の結果として現れることになる。 |