|
Vol.1 *1 *2 *3 *4 *5 *6 *7 *8 |
石山が乗馬を始めたのは、1999年の夏のことだ。それまで、冬はスキーを楽しんでいたが、夏場に打ち込めるものがなかった。パラグライダーやゴルフ、テニスなど様々なものに挑戦したが、これといったものを見つけられずにいた。 その夏、石山は尚子とともに、関東近県で2泊3日の外乗体験に参加した。面白いと感じた石山は休みが終わると早速、自宅のある千葉県内で外乗ができるランチがないか探し始める。 何か所か回ったうちの1つが、今も所属するエルドラドランチだった。「外乗はなかったが、ここならきちんとした乗馬を学べ、外乗でも馬が操れるようになると感じました」。体験乗馬で言われるままに外側の脚を馬体に当てると、馬がすぐに駆歩を始めた。まさに、ふわあっという感じ。いい馬を置いているな。そう思って入会を決めたのだった。 ただ、入会はしたものの、当時は、今ほど乗馬にはまっていたわけではない。月に1,2回ほど、ランチに行く程度。「馬に乗るなんて、めったにないこと。その爽快感を味わっていた。脱日常を楽しんでいただけだったのでしょう」。馬をコントロールする面白みという概念はなかった。入って半年ほどしてレンタル馬で大会にも出て入賞。「才能がある」とおだてられたが、ぴんと来なかった。 2000年の夏には、本場の大自然の中で外乗ができると聞き、尚子やランチの仲間と一緒にアメリカを訪れている。山あり谷ありのコースで外乗を楽しみ、馬具を買い込んだ。実はこの時、後にNRHAのトップライダーの1人になるDuane Latimerの調教の様子を見る機会に恵まれた。「でも、速歩で何かやっているな、という感じで、面白さは分からなかった」 |