PRBC
パシフィック ライディングホース ブリーダーズ コミュニティ

*競技結果
 ODB Ancillary
 10/6(金)
 10/7(土)
 10/8(日)

*大会レポート


開催にあたり

大会要綱

タイムテーブル

エントリーリスト

The 10th Pacific Breeders Circuit Final Scene '17
大会レポート

 2017年は、PRBCサーキットがスタートして10周年を迎えた年で、その最終戦が10月5から8日までの4日間開催された。

 世間では、北朝鮮の脅威や衆議院解散の話題で沸騰していて、早々に夏が過ぎ台風による被害が各地で起きて天候の不順が取り沙汰されている。

 10月5日(木曜日)

 One Day Before Ancillary Class

 2 頭のエントリーであったが、本番に向かっての問題解消のためのショーイングで、Open DVは、Senoritas Nicky 土岐田 勘次郎(千葉県)Owner 石山 尚子(千葉県)が141.0ポイントで優勝、Green DVは、La Tigre Del Cielo 磯野 ひろ子(千葉県) Owner LTD Syndicate(千葉県)は、正しくスクーリングに徹して0ポイントとなった。

 10月6日(金曜日)

 Non Pro DV 1st Go Round

 トップに立ったのはWhiz N Pep 川畑 弘清(東京都) Owner 長谷川 里絵(千葉県)で、+得点のスピンとストップで、アヴェレージスコア207.5ポイントをマークした。
 そして、1.0ポイントビハインドで2位につけたのは、Lil Ruf Whip 落合 身知子(埼玉県)Owner 同エキジビターで、スタイリッシュでコレクトなスピンと安定したパフォーマンスで206.5ポイントであった。
 上位2頭に3位以下は大きく差をつけられ、その要因はペナルティによるディスポイントであった。
 従って、明後日のファイナルは、上位2頭の争いということになった。

 Open DV 1st Go Round

 前評判は、Eighty Sixの1強と云われる中、14年ぶりに参戦を果たした19歳馬のWhizlin Whoamanが、何処までそのポテンシャルや如何にといった様相を呈していた。

 そして、トップは221.5ポイントの高得点を叩き出して評判通りの結果を出したのが、Eighty Six Classic 土岐田 勘次郎 Owner 佐藤 一彦(千葉県)で、優勝のアドヴァンテージとなった。

 2位につけたのは、214.0ポイントのSenoritas Nicky 土岐田 勘次郎 Owner 石山 尚子 で、ODAのスクーリングの成果の現れか積極的なスピードコントロールを見られた。

 3位につけたのは、212.0ポイントとショー経験の浅い中、ストップスピンと堅実な成長を見せているRemarkable Steps 土岐田 騰馬(千葉県) Owner 増田 明子(千葉県)であった。

 そして、207.0ポイントとアヴェレージスコアで4位につけたのは、14年ぶりに参戦したWhizlin Whoaman 土岐田 藍(千葉県) Owner WW Syndicate(千葉県)で、馬齢19歳でありながら往年のOpen Grand Championの片鱗を見せた。

 10月7日(土曜日)

 Ltd Non Pro DV

 このクラスは、馬齢25歳と21歳と19歳と17歳という高齢馬の闘いではあったが、年齢を感じさせない大変見応えのあるものであった。

 今年Congress/ WJCで2連勝し、来シーズンワンハンドのクラスへの昇格を決めているLa Tigre Del Cielo 磯野 ひろ子(千葉県) Owner LTD Syndicate(千葉県)は、206.5ポイントと好スコアをマークし、自己最高のスライディングストップを見せたものの惜しくも優勝には及ばず、リザーブチャンピオンとなった。

 そして、その磯野の自己最高のスライディングストップを乗り越えたパフォーマンスで優勝を果たしたのは、最高齢25歳ながら積極果敢なパフォーマンスで209.0ポイントをマークしたSmart Son 宮下 月見(北海道) Owner 同エキジビターであった。
 北海道から参戦しているSmart Son は、エキジビターでもあるOwnerの宮下さんの言うことには、大会を終了した時点では、これが最後だという思いで北海道に帰るが、次の大会が近づいてくると前よりも良くなっているように感じ参戦する決断をするのだそうで、それを毎年繰り返しているように思うとのことであった。そして来年もまた。

 10月8日(日曜日)

 Non Pro DV  2nd Go Round

 見事に優勝を果たしたのは、2016年のFinal Sceneで優勝したディフェンディングチャンピオンの落合 身知子(埼玉県)で、Li Ruf Whipに騎乗し205.0ポイント、トータル411.5ポイントをマークして逆転し、その差はわずか0.5ポイントであった。

 前夜カツ丼を食べたそうで、これが功を奏したのかチェンジリードでペナルティを犯したものの、美しいスライディングストップを見せて、その栄冠を獲得した。

 リザーブチャンピオンとなったのは、Whiz N Pep 川畑 弘清 Owner 長谷川 里絵で、コントロールされたサークルと見事なスライディングストップを披露し203.5ポイント、 トータル411.0ポイントをマークした。
 前夜に行われたデモンストレーションクリニックで納得感があったようで、逆転されたのは悔しいが、手がかりを得てリベンジの意欲が旺盛になったようである。

 Open DV 2nd Go Round

 1st Go でトップに立ったEighty Six Classic 土岐田 勘次郎 Owner 佐藤 一彦は、何と抽選でファイナルエントリーとなって、プレッシャーマックスのシチュエーションとなった。

 1st Goで2位につけていた Senoritas Nicky 土岐田 勘次郎 Owner石山 尚子 は、ロールバックでバックアップしてしまってペナルティ0を犯してあえなく撃沈した。このことも相まって、エキジビターにとって益々プレッシャーの高まる状況となったのである。

 そのマックスプレッシャーをはね除けて、219.5ポイント トータル440.5ポイントと各マヌーヴァー+1を狙う攻撃的パフォーマンスで、ぶっちり優勝を果たした。

 リザーブチャンピオンは、Remarkable Steps 土岐田 騰馬 Owner 増田 明子で、206.5ポイント トータル418.5ポイントとアヴェレージスコアまであと一息のところまで成長を見せ、来シーズンへの期待をするところとなった。

 3位は、Whizlin Whoaman 土岐田 藍 Owner WW Syndicateで、206.5ポイント トータル413.5ポイントをマークし、オーソドックスなレイニングホースの典型とは何かを物語っているような馬であった。

 入賞を果たせなかったもののオーディエンスからの歓声を浴びていた馬がいた。
 その馬は、早逝したUltra Super John(USJ)本名Fifty Nifty Gold Owner 岡田 隆雄(福岡県)とFull BrotherのGold Flashy Jacで、これまでのショーペンでは、本当に名馬の弟なの?という向きがあったが、その予想を裏切り、血筋の繋がり連想させるに充分なスライディングが披露されたのであった。

 Team Roping Dummy Header Non Pro DV

 Grand Champion 争いは、小林 孝之(千葉県)で確定の感ありで、石山 真実(千葉県)がこの栄冠を奪取するには、小林のファイナル進出を拒み、且つ石山の優勝がなくてはならない。
 そんな状況の中、本大会のファイナル競技として、美しい夕焼けの秋の夕暮れにスタートした。

 奇しくも小林がミスキャッチとなり、ファイナル進出は叶わなくなった。そしてファイナル戦は、石山と土岐田 騰馬で争うこととなり、石山の大逆転グランドチャンピオンのステージが整ったのである。
 そして、ファイナルチャレンジが始まりファーストエントリーは石山で、スィング+1のクォリティ、キャッチング+1/2でも+1なら確実にというところで、「あっあー」ルーズキャトルで観客はため息、スコア0で撃沈、見事に観客を裏切ったのである。

 そして、72.5ポイントをマークした土岐田 騰馬が練習嫌いながら勝負強く、みんなの恨みを買ってしまう結果となり、優勝の栄冠を手にしたのである。
 2017年のグランドチャンピオンは、納まるところに納まって小林 孝之が手にしたのである。

 編集後記

 PRBCのノンプロ委員会が施行するFavorite Horseという企画がある。
 これは、1年間でショーイングした全ての馬の評価を、会員全員の投票でランキングするとことで、今年で8年目になるそうである。
 そして、ノンプロライダーでも検定試験に合格すれば、ジャッジとして競技会の審査を行うのもPRBCのシステムだ。
 これらは、互いにリンクするもので、それは全てのライダーがロジックに馬を理解するということで、この乗馬の社会が健全に成長するには、その構成員がプロアマに関わらず、馬に対する理解が深いものでなければならないということであろう。