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The 25th EWPC Congress 2008
大会レポート

 大会の歴史を体現する3人がバックルを獲得--。今年で25回目の節目を迎えた「The 25th EWPC Congress 2008」が5月22日から24日まで、福島県の南相馬市馬事公苑で開かれ、第1回大会から出場している吉野勇、芙美恵夫妻がそれぞれ、レイニングのInt Non ProとLtd Non Proの各ディビジョンを制した。Non Proディビジョンでも、当初から出場しているRowdy 長谷川がバックルを手に入れた。期せずして、大会を支えてきた人たちが勝利する結果となり、メモリアル大会に花を添えるとともに、歴史に新たな1ページを加えた。

 EWPC Congressはエルドラドランチでホースマンシップを競う大会としてスタート。その後、レイニングの大会に発展した。当初は年2回の開催だったが、規模の拡大とともに年1回となり、福島での開催は今年で4回目となる。開幕に先立ち、第1回大会から出場しているこれら3人のノンプロライダーが紹介され、改めて、出場者や観客に大会が持つ伝統の重みを感じさせた。

 70歳を超えた吉野夫妻はいずれも、Style With MeとShesa Reincarnationの2頭でダブルエントリー。年齢を感じさせない攻めのライディングで会場を沸かせ、勇が芙美恵の自馬Style With Meで、芙美恵が勇の自馬Shesa Reincarnationで栄冠を手にし、夫婦の絆も垣間見せた。

 試合への出場が昨年のEWPC Congress以来となる勇は、そのハンデを全く感じさせず、キャリアと実力の片鱗を見せた。初日の1stゴーラウンド。Style With Meでスムーズなスピンで勢いをつかむと、続くサークルでも積極的なランを見せ、その後も落ち着いたショーイングを披露。139.5のスコアでトップに立った。最終日の2ndゴーラウンドでもスコアをまとめて、そのまま逃げ切った。

 Shesa Reincarnationに騎乗した芙美恵もサークルから積極的に攻めた。高速スピンはプラス1/2からプラス1の高い評価を得て、最後のスライディングストップでもプラス1/2のスコア。集中力を切らさない、安定したライディングは、若手の手本となるものだった。芙美恵は「なかなか難しい馬で乗り始めたころは苦労しましたが、夫やトレーナーの土岐田騰馬さんのアドバイスが活きました」と、晴れやかな笑顔を見せた。

 長谷川がNon Proディビジョンでバックルを獲得するのは、2000年のEWPC Congress以来。1stゴーラウンドでは、いつも通りの安定感のあるサークルやスピンを見せたが、ランダウンでは愛馬のTaris Peppy Joに急激に加速してしまう悪い癖が出て、3位にとどまった。しかし、2ndゴーラウンドの前日、トレーナーの土岐田勘次郎の猛特訓を受けて調整。本番ではその成果をすぐに発揮する勝負強さで、徐々に加速する見事なランダウンを披露。144.0のトップスコアをたたき出し、逆転を果たした。

 メーンの競技となるJunior Horseディビジョンは、土岐田勘次郎が騎乗したWhiz In Fifty が制した。1stゴーラウンドでトップタイの位置に着けると、2ndゴーラウンドでは本大会を通じて最高スコアとなる145.5をマーク。特に最後のスライディングストップは圧巻。本場アメリカから招いたジャッジが驚きのあまり、競技終了後、滑った跡の距離を歩幅で測る一幕もあった。Whiz In Fiftyは、3月に開かれた「The 1st Pacific Breeders Circuit 1st Scene 2008」に続く勝利となった。

 Openディビジョンを制したのは、土岐田騰馬がライディングしたDancehall Sally。「ルーズレインで簡単にコントロールできる、今大会でのベストホース」とジャッジの一人が絶賛したペイントホースは、1stと2ndのいずれのゴーラウンドでも、切れのあるサークルと、高速でのフィギュアエイト、豪快なスライディングストップとロールバックなどを難なくこなしてプラス1/2からプラス1の評価を獲得。レベルの高いショーイングで、他を圧倒した。

 大会を締めくくるチームローピングは、3月の「The 1st Pacific Breeders Circuit 1st Scene 2008」を制した2人が、実力の違いを見せて、再びバックルを手に入れた。

 Header Non Proディビジョンでは、Rowdy長谷川が1回のスイングだけでロープを投げるショーマンシップを見せて観客を沸かせた。レイニングのNon Proディビジョンに続いての勝利。

 Header Greenディビジョンでは、小林孝之が出場者の中で唯一、2投ともきっちりとホーンをキャッチ。スイングの速さやスローングの安定性など、どれを取っても他を寄せ付けないロープさばきを見せた。

 今大会は、馬の仕上がりに目を見張るものがあった。3月の「The 1st Pacific Breeders Circuit 1st Scene 2008」でスライディングストップを失敗した馬や、スピンを不得意とする馬が、土岐田勘次郎と土岐田騰馬の調教によって確実に欠点や失敗を克服した姿で馬場に登場した。1stゴーランドでいいショーイングを見せられなかった馬が、2ndゴーラウンドでは最高スコアをマークするなど、大会期間中に調子を一気に上げる馬も多く、トレーナーとライダーの意気込みが強く感じられる大会となった。

 そうした雰囲気を反映してか、観客数も福島で開かれた4回の中で一番多く、最終日にはスタンドを埋め尽くさんばかりの人が詰めかけ、駐車場もいっぱいだった。土岐田勘次郎によるデモンストレーションも盛況だった。

 ただ、レイニングのノンプロライダーのディビジョンを制したのはいずれも、還暦を超えたライダーたち。草創期から日本のレイニング界を支えてきた人たちに、いつまでも頼ってばかりはいられない。7月の「The 1st Pacific Breeders Circuit 2nd Scene 2008」では、若手の奮起が望まれるところだ。


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