第16回のフェイバリットホースコンテスト開催となりました。
2021年から本コラムの依頼を頂いておりますが、本稿は何かお役に立っているのか毎回手探りでして、手ごたえはあまり無く書かせて頂いております。
いずれ「ノンプロ委員長の見解」と、委員長が書いていくようになると私は勝手に思っておりますが、書く準備が出来るまでは私がここで「ぼやき」をしていこうと思います。
今回は、4位タイで2頭が出たために、結果的に5位はありませんでした。
その4位の1頭はSenoritas Nickyで、この馬は現役が長く、現在17歳です。
スピンと言ったらNickyという程の高速スピンが筆者の印象です。
サークルもスタイリッシュでヘッドが低く、現代のワールドレイニングではヘッドが低い駆歩はトレンドですが、この馬もそんなスタイリッシュです。
ショーイング自体は、馬の緊張もあってかヘッドアップしてしまいますが、本番前の練習ではこの姿を見ることができます。
この馬のDamは、Lil Ruf SenoritaといってNRHA 3Million Dollar Sire Lil Ruf Peppyの直子。また、全国大会Openクラスで何度も優勝し、グランドスラムを達成した名牝馬です。
SireはMr Remichexで1M Dollar Sire Reminicの直子です。
Reminicの産駒は、NRHA Open Futurity ChampionのBoomanicという名馬で、Reminic、Boomanicの血もまたヘッドの低いスタイリッシュな駆歩の馬が多く、勿論作り手の特色はあるでしょうが、柔らかい馬が多いです。
既にReminicは、亡くなっていて、直子はお目にかかることはなかなか難しいですが、素晴らしい名血の1頭です。
Nickyは現在2頭出産しており、産駒達が将来彼女のような活躍をすることを期待しています。
もう一頭の4位タイはRoyalprincess EDで、近年のルーキーホース達の中ではお姉さん的存在で、スタイリッシュな駆歩とスピードコントロールが魅力的な牝馬です。
ここ直近ではNon Pro DVの優勝や今年からニューペアを組んだ大貫初美選手とAncillary Green DVに参戦して、将来有望な演技をしてみせています。
そういった姿もあってか、初心者でも走行をしている姿を披露しているのもあり、フェイバリットの投票でもマインドを加点しやすいはずです。
Grays StarlightsとHollywood Dun Itのクロスは世界的に珍しく、その直子のDamとの組み合わせで、将来の子供に期待出来る馬です。
3位は、Top 3に初ランクインしましたChics Golden Du Laitです。
今回の結果の一番大きい理由は、Non Pro DVとOpen DVのダブルチャンピオンという戦績が好印象を与えていることが大きいところでしょう。
一番、目を引くのはスライディングストップで、牝馬とは思えぬディープストッパーであること。本番前の練習では高速スピンを披露しているものの、ショーイングではまだお目に掛かれていません。
高速スピンの完成があれば、スピンの加点が期待できるので、来年は更なる上位を期待できるでしょう。
Sireは、Golden Amber Jacで、PRBC発足時にJr Horseから活躍していたStallionで、今年遂に10Million Yen Sireの仲間入りを果たしました。
Du Laitのブリーダーは、カナディアンキャンプ乗馬クラブで、このGolden Amber Jac×Caf Au Laitの組み合わせの兄弟の中では、Du Laitが第一子にあたります。
次の子が公式戦参戦になれば、Amber JacのLeading Sireとしての地位は、さらに高いものとなるでしょう。
因みに、このクロスは、Amber JacのGrand SireはGallo Del Cielo、Caf Au LaitのGrand SireはSmart Chic Olenaです。
第2位はMoonlights Sailorです。
今年の参戦は、2nd Sceneのみでしたが、それにも関わらずスピン、スライディングストップの評価は相変わらず高く、この評価となって現れました。
このフェイバリットは、1枚の投票において上位5頭のみが評価されます。
そのため得票を得るということ事態が、難しいこともあり、本ランキングの点数と実際の演技のレベルがかけ離れていることがあります。
Sailorは、ストップ、スピンととにかく切れ味が良くオーディエンスにインパクトがあります。この事が得票数を得やすくこの評価につながっているのではないでしょうか。
Topsail WhizとShining Sparkのクロスは、マジッククロスといわれるほど、世界的に相性の良い組み合わせと何度も書いたことがありますが、この馬の場合はSireがShining Spark系でDamがTopsail Whizの直子です。
この馬のDam Whizzin Pineは、NRHA Professional Trainer Jordan Larsonがトレーニングした馬で、スピンはイージープラス1を誇り、この才能がSailor に受け継がれているものと思います。
第1位はJust Dunitです。
スピン、ストップ、サークルとポテンシャルは健在で、この評点が覆ることはなかなか無理そうで、オーナー本人は、乗り手が良くないから今回は選ばれないと予想していたそうですが、それ以上に高いレベルの馬だということを、オーナー以上にオーディエンスは理解しているということでしょう。
何より、この馬の強みは、投票者が評価に迷うことがないことでしょう。
1〜5点のうち、4や5の評価を付けやすいのがJustという馬で、特にスピンは今尚+1/2〜1は健在です。
もし仮に、オーナーであるノンプロの演技のせいで評点が低くなるとすればMindの評価なのでしょうが、ノンプロであるオーナーが器用な乗り手ではないことが返って評価を高くしているともいえなくもないのではないでしょうか。
この馬は輸入馬で、7Million Dollar Sire Hollywood Dun Itの直子で、Damも7miilion Dollar SireのSmart Chic Olenaの直子というとんでもない名血です。
私のつぶやきは、以上となります。
本コンテストでニュースといえば、Dun Its Little Lenaが亡くなったことです。
この馬は、当時引退状態だったにも関わらず、Non Pro Grand Championになったこともあり、本コミュニティを盛り上げた名馬であり、このコンテストの盛り上がりにも一躍買ってくれていました。
この馬の最後の産駒達が数頭おり、2nd Sceneがデビュー戦だったIts Little Pineが来年どのようにランクインしていくかが見ものです。
また、同じくNon Pro Grand Champion HorseとなったSpooks Serenadeの初産駒、Spooks TokioのデビューがFinal Sceneでありました。
今年は、久しぶりにJr Horse DVの開催がありましたが、本コンテストではランキング外だったにしろ。多くの観客の注目を集めていた2頭でした。
見られていないようで実は皆さんの目は、節穴ではなかったようです。それは会場だけではなく、SNSやウェブサイトで発信していることもあり、反響はこちらからは聞こえて来ませんが、見られているのは間違いないようです。それは国内だけではなく、国外もです。
少数精鋭ではありますが、国内国外に注目が集まっているならば、より良いショーイングをすることが、本コミュニティの発展につながることでしょう。