第33回コングレス2016の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。
日本のウエスタン馬術の技術革新と普及を旗印に掲げてスタートして、長い月日が経ちましたが、日々発展したことと、そうでないこととがあって、未だ戦いの連続であります。
このことは、 日々怠ることのなきように精進しなくてはならないという神の思し召なのでありましょう。
技術の革新は、日々の努力はさることながら、自ら信ずるに足る指針を定めたからには、どんな誘惑や試練があろうとも貫徹する強靭な志が不可欠であることは、自明の理であります。
我が日本のウエスタン馬術の歴史を振り返ると、幾たびかの大きな波があって、技術革新と普及の兆しが顕著に現れた時がありました。しかし、防波堤に生じたほんの微細な漏水のようなブレが生じ、やがてそれまでの労苦を無駄にして、元のもくやみどころか10年も20年も遡ってしまったのであります。 しかも、その当事者達に加害者意識すらない始末なのです。
技術革新の積み重ねによって積み上げた楼閣は、心ない人の手によって一瞬にして崩壊してしまうものなであります。
我々が、コングレスを通して培ってきた足跡もまた、心ない人の手によって、いついかなる時に崩壊の憂き目を見ないとは限らないのであります。
世の中を革新したり歴史を構築したりするには、自らの技術の進展にひたむきになることと、その目指すべき方向性がぶれないということが何よりも重要なのであります。
第33回コングレスを迎えるにあたって、さらなる精進と初志貫徹の志の重大性を心新たにするものであります。
また、レイニングの歩みは、昨年NRHAが50周年を迎え、アメリカはもとよりヨーロッパ、南米など今やワールドワイドなスポーツとして認知されてきています。
そのパフォーマンスのクォリティは、目を見張るほどの高まりを見せています。
我々には悠長に国内問題に関わっている時間はありません。
そこで、エルドラドランチがこれまで提唱してきたレイニングホースの国内一貫生産という基本に立ち返る必要があるのです。
技術革新と普及という命題を同時に解決するには、アメリカ産馬に依存することなく、乗用馬の繁殖、生産、育成、調教、流通の一貫生産をすることが不可欠で、変革期においてはコストパフォーマンスを後回しにしても取り組まなくてはならないのです。
我々は、惑わずして自ら信ずる道を歩むべきなのであり、皆様方のより一層のご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。
そして、 ご参加していただいた皆様のご健闘を心からお祈り申し上げます。