PRBC
パシフィック ライディングホース ブリーダーズ コミュニティ

*競技結果速報
 8/23(木)
 8/24(金)
 8/25(土)

*大会レポート


開催にあたり

大会要項

タイムテーブル

エントリーリスト

The 5th Pacific Breeders Circuit 2nd Scene '12
大会レポート

 8月の23〜25日の三日間、The 5th PRBC Circuit 2nd Scene2012がエルドラドランチのメインアリーナにて行われた。
 期間中は一滴たりとも雨が降ることもなく毎朝の散水が必要となり、猛暑真只中だったことから、人馬ともに熱中症が続出してもおかしくない天気だった。
けれども、馬場のコンディションは申し分なく、猛暑の中、気迫のこもった練習馬場の様子は不安もなく無事に執り行うことができた。

 大会1日目

 Non Pro 、Int Non Pro DV

 1st Go Roundは、ランインのパターンで、ゲートからの走り込みから演技が始まった。
 多くの人馬は、最初のスライディングストップがうまく決まらず、その後の演技でもテンションの上がった状態でのコントロールを余儀なくされ、なかなかハイスコアが現れないスタートとなった。
 そんな中、Non Pro DVでトップに立ったのはCaf King Jacと北村康男選手だ。

 スコア142,0と、Kingの長所であるスピードコントロールでプラス点を獲得し、他のマヌーバーはアベレージの評価を獲得するようにみせ、このペアのみと言って良いほど馬をコントロール下において堅実的な演技を披露した。

 後続に続くは137.0のDreams Of Chicsと新井俊一選手、すぐ下にCongress Non Pro ChampionのLil Ruf Whipと落合 身知子選手が135,0と迫る。

 Int Non Pro DVも同様にライダーが発展途上故か、ランインのアプローチの拙さが目立つなか、馬の持ち味を武器にトップに立ったのがCongress Open Champion HorseとBlack Cafと小林 孝之選手のペアだ。
 スコアは130,0と今ひとつであったが、スライディングストップで+1/2を獲得して、マイナス部分を埋めした形となった。
 後続にSmart Catfishと早見秀代選手が+1/2のスピンを武器に125,0、前大会Champion石山尚子選手とLa Tigre Del Cieloは、ロングリードでペナルティを被り116,5と大きく差が空いての結果となった。
 
 Open DV 1st Go Roundは、土岐田 騰馬選手と毎大会豪快なスライディングストップを見せるCatman Pineが208,5でトップとなった。
 続くは1ポイント差でLil Ruf Whipと同じく土岐田騰馬選手、同スコアでDreams Of Chicsと土岐田勘次郎選手と続き、後続に今年より徐々に上位に絡み始めた袴田桂子選手とShesa Reincarnationが迫る等優勝圏内はこんなところだ。
 
 大会2日目

 第1競技Ancillary Open DVは急遽追加エントリーが続出した。
 初日のInt Non Pro DVでの結果を見たプロライダー達が、馬に再調整が必要と見てエントリーを決意したとのことだ。
 その結果、Black Cafと土岐田勘次郎選手のCongress Open Championペアが、得意のスピンとストップでプラスを獲得し、141,0での貫禄勝ちをしてみせた。
 残念ながらOpen 1st Goはノースコアとなってしまった為、2nd Goは出場できないがInt Non Pro DVのショーイングに繋げるためのエントリーだったのだろう。
 
 午後は、第2競技であるGreen DV
 もはや敵なしと言わんばかりにEighty Six Classicと佐藤一彦選手が136,5を獲得し、今年3連覇を成し遂げる。
 3戦通じてリスクのない演技が印象的なペアだが、競技結果の写真を見てもわかるようにおおよそアベレージの評価ではあるものの確実で綺麗なスライディングストップを見せている。
 Final Sceneでは全大会制覇、グランドスラムの期待が掛かることとなった佐藤選手とEighty Six Classicの更なる演技に期待したい。

 2位は根性の演技で篠 富貴選手とStarlights Codyが96,5で初めてのスコア獲得で見事初入賞を飾った。
 昨年より参戦の彼女は今日までスコア0ばかりで、なかなか点数を取ることができなかった。
 しかし、今回も多くのペナルティをもらいはしたが、絶対に全部走行するという気迫のこもった演技を披露してくれた。
 小学校6年生の彼女が期待の新星の第一歩となった。
 
 大会3日目

 逆転を狙ってライダーは、入念に馬を調整したいところだが、ライダーにとってはもう一つ敵があって、それは酷暑で延々と乗れば馬は披露して技のキレは鈍り、最悪熱中症でスクラッチも有り得るため注意しなければならないところである。
 1st Go Roundで5スピンを犯し、0となってしまった石山真実選手とLa Tigre Del Cieloが好印象を与えるスピードの緩急と+1/2の高速スピン、滑らかなランダウンによるスライディングストップで結果143,0というハイスコアをたたき出し、名誉挽回と言わんばかりに快心の演技で会場を沸かせた。
  石山の演技で緊張感の高まった雰囲気の中、初日2位に付いていたDreams Of Chicsと新井俊一選手が、初日とほぼ同等のクオリティのパフォーマンスで137,0を獲得。
 北村選手とCaf king Jacは、他者の演技を気にすることもなく、1st Goと同様に、馬の利点を生かして確実でミスのないパフォーマンスで、ライバルライダー達にとって模範となる演技をし結果139,0、トータル281,5今季2つ目のバックル獲得となった。

 Int Non Pro DV の2nd Go Roundは、1st Go Roundとは打って変わって、石山尚子選手とLa Tigre Del Cieloが素晴らしい演技であった。
 ルーズレインで良くコントロールされたスピードコントロールを見せて137,0をマーク。
 結局小林対石山の勝負となった。

 小林選手とBlack Cafは、左サークルはルーズレインで石山と同等のスピードコントロールであったが、右サークルでややアウトオブコントロール気味となった。
 それでも、スライディングストップに関しては別格のクオリティでプラス評価を獲得。マイナス評価のマヌーバーを全て埋めきるまではいかなかったが、まずまずの134,0を獲得してみせた。
 結果、初日でのペナルティが多すぎた石山は、小林には届かず、Black Cafに軍配が上がった。
 2012年のFinal Scene を残す中間の通算成績は、石山尚子選手と小林選手はわずか1万円差であり、僅かに石山が上まわっている。
 
 Open 2nd Go Round
 1st Section Draw No1は、1st go トップだったCatman Pineは、ロングリードでペナルティ上位から大きく後退。
 続くJac In The Moneyと土岐田勘次郎選手のペアが高速スピンで208,5をマーク、トータル414,5でトップに立ち2nd Sectionへ。

 2nd Section Draw No1のLil Ruf Whipと土岐田騰馬選手がスピードコントロールのスローダウンでとても緩やかな駆歩をすることではっきり緩急をつけてみせてプラス評価。 セカンドストップでディープなスライディングストップで208,5を獲得し、トータル416,0で逆転トップに立つ。
 ラストドローのDreams Of Chicsと土岐田勘次郎選手が逆転を狙い、徹底的に攻める演技をしてみせたが、ストップで好評価を得ることができず、207,5。
 トータル415,0と1ポイント差で2位に止まる。
 結果Congress Non Pro Championに引き続きLil Ruf Whipが今季Non Pro とOpenとの2つのタイトルを獲得した。
 またWhipはスタリオンであり、1million Doller SireであるLil Ruf Peppyの産駒である。今回の名誉もまた、Whipの子供への期待に繋がるに違いない。

 最終競技、Team Roping

 Green DVはニューフェイスが誕生した。
 昨年より参戦の岸 サンドラ選手が1st、2ndと確実なキャッチングをして見せ待望の初チャンピオンバックルを手にすることとなった。
 このDVは選手それぞれの実力が拮抗しており、誰が勝つかがわからないのが面白さの一つだ。
 Final Sceneは一体誰が勝つのだろうか。

 Non Pro DV
 前大会のジャッジ、Dele Harvey氏のアドバイスから1ヶ月あまりが経って、キャッチングも然ることながら、ホーンにロープを巻きつけるダリーまでの動作に選手たちは気をつけているような練習時間であった。

 まず、Rowdy長谷川が71,5を獲得して、ファイナルへとコマを進める。
 追いかけるように72,0をたたき出してみせた小林孝之選手が現れ、両者の一騎打ちとなる。
 緊張感の中で栄冠を手にしたのは、安定感のある、キャッチングからのダリーまでの一連の動作を持ち味にRowdy長谷川が優勝した。
 しかし、Finalは混戦が予想される。
 
 今大会は、馬場のコンディションに本当に恵まれていて、クオリティの高いパフォーマンスを多く見ることができた。
 ノンプロライダー達は、個々のパフォーマンスは素晴らしいものがたくさんあるものの、苦手なパフォーマンスで大きくマイナスをもらってしまい、全体の演技をまとめるには至ってないようだ。
 10月のFinal Sceneまであまり時間は残されてはいないが、一観戦者として、可もなく不可もなくという演技ではなく馬の持ち味を持って、感動を与えるような演技を期待したい。