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*大会レポート *大会概要 |
The 4th West Japan Championship'14 足早に過ぎ去ってしまったかのように短い夏となってしまった今年の日本列島、そんな中で、第4回目を迎えるWJC 2014が開幕した福岡県古賀市馬術競技場だけは、秋まだ遠く真っ盛りの夏を思わせる熱い闘いが展開した。 The Day 1st 9月4日(木) Non Pro DV 1st Go Round EWPC Congressで不調だったCAF King Jacと小林孝之選手(千葉県)のコンビが復調して、メリハリのある演技を見せて216点と高得点を獲得して、2位以下を大きく引き離してトップに立った。 首位と大きく水をあけられたBear Gold Flash と藤田 泰幸選手(兵庫県)やFifty Nifty Goldと岡田 隆雄選手(福岡県)や、Dunit Pepper Dollと末廣 まどか選手(福岡県)達は、209点から202点の間に位置した。 また、ディフェンディングチャンピオンのDesigned A Sidekickとウエスタン安藤選手(大阪府)は、ロールバックでミスし残念ながら得点0となって2連覇の望みが絶望的となってしまった。 Open DV 1st Go Round トップに立ったのは、確実にマヌーバーをこなして216.5点を叩き出したDreams Of Chics(Owned by 大野 城児)と成長著しい前原 汐里選手(福岡県)であった。 2位以下とは5.5ポイントの差が出たものの、どの馬もここ一番では爆発力があるので、優勝争いは混沌としているといっていいだろう。 The Day 2nd 9月5日(金) Ancillary Class Open DV 2頭のエントリーがあって、Whiz N Pepと土岐田 騰馬選手(千葉県)が、Open DVの2nd Go Roundのためのスクーリングとして、無難な演技を見せた。 Green DV 初出場の選手が多いこのDVは、各クラブと担当したトレーナーの力量も問われるクラスで、ライダーの実力もさることながら、ルーキーライダーの今後の競技ライフに大きな影響をもたらすもので、このクラスにエントリーしている馬と所属クラブの新人育成のプログラムを見るといった目線で見るのも面白い。 そして、結果は誰が優勝してもおかしくない内容であった。 Benito Eldorado Junior Reining Horse Grand Reserve Champion この3頭は、過去に以上のような輝かしい経歴を持つ馬たちであった。 そしてこのクラスを制したのは、Benito Eldorado と乗馬歴1年半の諸岡 辰浩選手(千葉県)で、スライディングストップとスピンでプラス得点を獲得し見事優秀に輝き、チャンピオンバックルを手にしたのだった。 準優勝は、Chiquito Sparkと佐々木 美恵子選手(福岡県)で、パフォーマンスは、優勝選手と同等であったが少しばかりペナルティが多く、残念ながら優勝を譲ってしまったが、大正琴をレインに持ち替えて日々精進しているようで今後の活躍を期待したい。 Ltd Non Pro DV このクラスは、既に終了しているサーキット2戦を制しているDunit Pepper Dollと末廣 まどか選手(福岡県)が、全戦を連覇して年間グランドスラムを達成するかどうかに注目が集まっている。 そんなプレッシャーのかかる末廣選手が、馬の体調不良で充分なトレーニングができなかったハンデキャップを見せない演技が光り、他の追随を許さず連覇を達成した。 また、準優勝者のPrimary Dunitsと岡崎 嘉一選手(福岡県)が、これまでにないパフォーマンスで、馬とライダーの成長が見て取れ、今後の期待を膨らませた。
The Day Final 9月6日(土) Non Pro DV Caf King Jacと小林 孝之選手(千葉県)が、大きなミステイクがあったもののストップとスピンとサークルで見事なパフォーマンスでカバーして、日本一ノンプロライダーとしての座についたのである。 準優勝者は、2nd Go Roundで最高得点をマークしたBear Gold Flashと藤田 泰幸選手(兵庫県)で、エキサイティングなスピードコントロールが見られ、オーディエンスの拍手喝采を浴びていた。 Fifty Nifty Goldと岡田 隆雄選手(福岡県)は、しぶとく3位入賞を果たして、グランドチャンピオンの座において小林選手の独走を許さず、最終戦まで激しい戦いになり実に楽しみである。 Open DV チャンピオンに輝いたのは、Dream of Chics(Owned by 大野城児 福岡県)と前原 汐里選手(福岡)が、1stと2nd ともトップ得点でパーフェクト優勝を果たした。 準優勝は、Cajuns Moonshineと土岐田 騰馬選手(千葉県)で、2nd Go Roundで爆発的パフォーマンスの+1スピンと+1ストップを見せて221.5点を叩き出して10.5ポイント差までチャンピオンに迫ったものの届かなかった。
Team Roping Header 福岡県から初エントリーがあったり、今回はエントリーに至らなかったものの数名のローパーが九州地区で産声を上げていたりして、練習に励んでいるようなので日本でのローピングの普及が期待できそうだ。 ローピングによるフィールの養成や思考システムの構築が、ライディングの飛躍的向上に大きな貢献を果たすようで、この要因がローピングの普及に一助を果たしているようだ。 そんな中、これまでサーキット2戦を連覇してきている増田 明子選手(千葉県)の年間グランドスラムがかかっていることもあって、増田選手はこのクラスのみエントリーするため九州まで遠征に来ていたのである。 そして結果は、準優勝の石山 尚子選手(千葉県)に僅差ながらキャッチポイントで、辛くも増田選手が3連覇を成し遂げた。 優勝と準優勝の差は、キャッチングしたときのロープがキャトルの額に水平になったかどうかのポイントであった。 Non Pro DV このクラスは、2投してトップ2がファイナルへ進み、決勝戦を行うシステムで、小林 孝之選手(千葉県)と石山 真実選手(千葉県)の2名がキャッチングスローイングともプラス1のパフォーマンスを見せて73点と高得点を獲得し決勝戦へ進んだ。 決勝戦は、石山選手が普段の鍛錬の成果をここ一番でも発揮して、見事初優勝を遂げた。 石山チャンピオンは表彰式のスピーチで、ここまでの彼のグローイングアップヒストリーを語っており、印象に残った一言をここに披露すれば、本人の思考システムが上達の最大の要因で、才能や運動神経や努力の多寡やモチベーションの問題ではないということであった。 観客動員の内容や新人達のライディングスタイルなどを見る限り、今後の発展を期待せる大会であった。 |