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パシフィック ライディングホース ブリーダーズ コミュニティ

*競技結果
 10/10(金)
 10/11(土)
 10/12(日)

*大会レポート

Competitions Report


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大会要項

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エントリーリスト

The 7th Pacific Breeders Circuit Final Scene '14
大会レポート

 思いのほか短い夏と押し寄せる台風に翻弄される日本列島、18号と19号台風の狭間で奇跡的に良好な天気に恵まれ、2014年の最終戦がベストコンディションのアリーナで開幕した。

 The Day 1st 10月10日(金曜日)

 Non Pro DV 1stGo Round

 215.0 ポイントのハイスコアを叩き出したのは、Moonshiney Pineと石山 尚子選手(千葉県)で、伏兵といったら選手に失礼になるが、本人も驚くほどのできで、ルーズレインでのライトコンタクトで終始一貫し、ビューティなスライディングストップには目を見張るものがあった。

 2位以下に、優勝戦線常連のCaf King Jacと小林 孝之選手(千葉県)213.5ポイントや、Smart Catfishと中島 徳三選手(東京都)209.5ポイント・Senoritas Nickyと石山 真実選手(千葉県)209.0ポイントがこれに続いて、混戦状態を呈した。
 そしてその様相は、ノンプロ選手がレベルアップしノーペナルティといった甘い戦いではなく、積極的にプラス得点を獲得しなければ優勝争いにすら入れないようなハードな戦いになったものである。

 Non Pro DVグランドチャンピオンの座は、これまでの3戦の成績で小林選手と岡田選手(福岡県)の一騎打ちの様相を呈していたが、Fifty Nifty Goldと岡田 隆雄選手は、オーバースピンをしてスコア0ポイントとなって、あっさり小林選手に軍配が上がってしまった。

 Open DV 1stGo Round

 ノンプロクラスに負けず劣らず高得点が続出し、トップに立ったのは2頭で、Fifty Nifty Gold Rider 土岐田 騰馬(千葉県) Owner岡田隆雄(福岡県)と Gold Flashy Bear Rider土岐田 勘次郎(千葉県) Owner 増田 明子(千葉県)の218.0ポイントで、タイスコアで並んだ。

 この2頭は、ストップで高得点を獲得するFifty Nifty Goldとサークルのスピードコントロールを持ち味に高得点を獲得するGold Flashy Bearで、それぞれに持ち味が違うものの、この2頭は、フルブラザーで両親が同じGallo Gold Cody(Sire)とBear Paw Fifty(Dam)で、北海道ノーネームランチ(網走市)で生産された馬である。

 そしてこのトップに続いて、優勝戦線に残ったのは、Eighty Six Classic(Owner 佐藤 一彦) Rider土岐田 勘次郎(千葉県)・Shesa Reincarnation(Owner SR Syndicate) Rider 袴田 桂子(千葉県)・Dream Of Chics(Owner 大野 城児) Rider 前原 汐里(福岡県)・Catman Pine(Owner 土岐田 勘次郎) Rider 土岐田 藍らが、アベレージ得点を超えた順位に付けて、2nd Go Roundへと望みを繋いでいる。

 

 The Day 2nd 10月11日(土曜日)

 Ancillary Open

 Whiz N Pep(Owner土岐田 勘次郎)Rider土岐田 騰馬(千葉県)の1頭のみのエントリーで、新馬のトレーニングとしてスクーリングをしたようだ。

 Green DV

 このクラスにエントリーするのは少し不公平感を覚える抜きんでたパフォーマンスを見せて優勝したのは、Shesa Reincarnationと川畑 弘清選手(東京都)で、サーキット2戦目のCongressとFinal Sceneを制し2勝して、2014年Green DV Grand Championも手にした。
 そして川畑選手は、今年の成績を以てGreen DVを卒業し、Ltd Non Pro DVへと昇格が決定していて、2015年の活躍が期待される有望選手である。

 また、WJCで優勝を果たした諸岡 辰浩選手(東京都)は、緊張したのかスピンの数を間違えて残念な結果になった。

 Ltd Non Pro DV

 このクラスで注目されるは、何と言ってもサーキット4戦全勝(グランドスラム)がかかったDunit Pepper Doll(Owner Cloud Nine)と末廣 まどか選手(福岡県)で、大きなプレッシャーの中でのショーイングであったが、見事にそのプレッシャーを押しのけて偉業を成し遂げ満場の喝采を浴びた。
 乗馬生活3年目にしての快挙で、その上達ぶりには心から敬意を表したい。
 また、この快挙や上達ぶりは、本人の才能か所属クラブ(カナディアンキャンプ乗馬クラブ)のレッスンプログラムの成せる業なのか興味を引くところである。

 そして、末廣選手は、2015年からは、名実共にノンプロライダーの認定を受けて、日本一の座をかけて戦線に挑むことになったのである。

 そして、リザーブチャンピオンに輝いたのは、今年から新しくコンビを組んだBrighten Goldと朝倉 洋子選手(福岡県)で、2015年の活躍が期待される。

 

 The Day 3rd  10月12日(日曜日)

 Non Pro DV 2nd Go Round

 1stGo Roundでリーダーに立った石山 尚子選手の初優勝がかかり、2位以下に付けた選手達との熱い闘いとなったのは前述の通りである。

 その石山 尚子選手は、ミステイクして失速したものの1stGoの貯金に助けられ、トータル415.5ポイントを獲得しリザーブチャンピオンの座に止まった。
 また、この馬のスピードコントロールとビューティフルストップは、来年の高成績とライダーである石山選手の成長に大いに貢献しそうである。

 Gold Flashy Bearと増田 明子選手(千葉県)が、1stGoで少々出遅れた感があったものの2nd Goでコントロールされたサークルのパフォーマンスで巻き返しアベレージ得点を越え、リザーブチャンピオンを石山 尚子選手と分け合った。

 そして、好位置に付けていたSmart Catfishと中島 徳三選手(東京都)は、2nd Goでは失速して着外に去り、代わりにStyle With Meと落合 身知子選手(埼玉県)が、馬のポテンシャルを引き出して入賞を果たした。

 1stGo で痛恨のペナルティを犯して2位に甘んじていたCaf King Jacと小林 孝之選手(千葉県)が、持ち味のスピードコントロールとスライディングストップに加えて+1/2のスピンまで発揮し、217.5ポイントを叩き出しトータル431.0ポイントの高得点をマークして、見事日本一のノンプロライダーの座とグランドチャンピオンの両方を手にしたのであった。
 表彰式では、盛んに馬のクォリティの高さを痛感しているとの本人の弁であり、Favorite Horseの投票でも最高得点を獲得して、グレートホースの称号を勝ち取ったのである。

 Open DV

 先ず、Eighty Six Classicと土岐田 勘次郎選手(千葉県)が、スピードとエキサイティングなパフォーマンスで競争相手にプレッシャーを掛けようとしたが、思ったほど得点が伸びず218.5ポイントに止まりトータル436.0ポイントで、後発の選手のパフォーマンスを待つこととなった。

 West Japan Championship のオープンチャンピオンのDreams Of Chicsと前原 汐里選手(福岡県)が、堅実なスピードコントロールとスライディングストップを発揮して、217.0ポイントトータル433.0ポイントで優勝には1歩届かず、Shesa Reincarnationと袴田 桂子選手(千葉県)が、良いパフォーマンスを見せたものの高得点とはならず1歩及ばずであった。

 そして、Fifty Nifty Gold(Owner 岡田 隆雄)と土岐田 騰馬選手が、王者の風格とエキサイティングなパフォーマンスで、+1のスライディングストップと+1のサークルスピードの緩急で220.5ポイント トータル438.5ポイントと申し分のないスコアでOpen Championの座に付いた。
 そして、このFifty(通称John)は、Junior Reining時代(4〜5歳当時)土岐田 騰馬選手がトレーニングそしてショーイングした馬で、久々に手元に戻ってきての成績であったので、感慨も一入ではなかったのかと推測する。

 Team Roping Dummy Header

 Green DV

 このクラスは、増田 明子選手(千葉県)が、これまでの3戦全勝を果たしており、Finalの成績如何では、グランドスラムの偉業のかかった戦いであった。

 その増田 明子選手は、各マヌーヴァー+1/2のパフォーマンスで71.5ポイントを獲得して、他の選手にプレッシャーを与えたものの、石山 尚子選手がキャッチポイントで+1を獲得してトータル72.0ポイントを獲得してトップに立ち、増田選手の優勝を阻んで念願のチャンピオンバックルを手にした。
 石山選手は、スィングスローとも平均以上のレベルに達していたものの、残念ながらキャッチミスをして、もう1歩の処を何回も優勝を逃していただけに、この優勝は途轍もなく大きな喜びになったのではないだろうか。

 Non Pro DV

 West Japan Championshipで73.0ポイントの高得点をマークして優勝した石山 真実選手(千葉県)と1st SceneとCongressで優勝している小林 孝之選手(千葉県)の実力が拮抗しているので、優勝はこの二人の争いになるだろうと誰もが予想していたが、反して小林選手が不調で高得点が出せず、決勝戦に残ったのは石山選手と土岐田 騰馬選手(千葉県)だった。
 そして決勝戦は、先ず石山選手がスローイングしてネックロープという大きなミスを犯してペナルティ2スコア70.0ポイントで会場が響めき、続いて土岐田 騰馬がスローイングして楽勝と思われたが、勝ったも同然というシチュエイションが油断を招いたのか、痛恨のキャッチミスをして0ポイントとなり、石山選手の2連覇という決着となった。

 

 編集後記

 ベストコンディションの中で、3日間の最終戦が展開して、回を追う毎にライダーと競技馬のレベルアップを実感する。

 進化する技術は、目的を持つだけでなく、時が過ぎても忘れてはならないものや見識を持ち続け、これを強い意志で貫徹してこそのもだと思う。

 レイニングもローピングも、元々日本にあったものではないにしても、そこに日本人としての誇りが伺われるのは、観客の一人として大きな喜びである。