PRBC
パシフィック ライディングホース ブリーダーズ コミュニティ

*競技結果
 Wednesday AC
 6/23(木)
 6/24(金)
 6/25(土)

*大会レポート

Competitions report


開催にあたり

大会要綱

タイムテーブル

エントリーリスト

The 33rd EWPC Congress '16
大会レポート

 第33回コングレスが、今年も開催された。
 今年は、水曜日の大会前日にWednesday Ancillaryが、新しく執り行われた。
 ショーマネージャー(大会本部)の発表によれば、これまで大会前日にペイドウォームアップがあり、主にプロが馬の問題点の矯正のために行われていたが、馬とライダーとが共に大会へ向かって準備できないものかと試行錯誤の結果、馬のスクーリングとどんなイメージのショーイングをするかという本番のためのショープラン作りを、同時に実行することを目的として設定したとのことであった。

 6月22日 Wednesday Ancillary
 ショーマネージメントの方針が功を奏したのか、初めて設定したクラスであるにも関わらず11エントリーもあって、この日に会場入りが間に合わなかった人を除き、多くのノンプロのライダーがエントリーした。
 中でも目を引いたのは、Dunit Pepper Doll 末廣 まどか選手(福岡県)で、この馬が持っていた問題点を的確に矯正して、本番にその結果が出ていたことである。
 そして、優勝したのはSmart Son 宮下 月見選手(北海道)で、137.5ポイントを獲得し堅実なショーイングであった。

 The Day 1st 6月23日(水曜日)
 Non Pro DV 1st Go Round
 悪コンディションの中でも消極的なショーイングがみられず、全てのエキジビターから、勇猛果敢にプラス得点を獲得するといった意気込みを感じられた。
 そこで、トップスコア205.5ポイントを叩きだしたのはBrighten Gold 朝倉 洋子選手(福岡県)で、これまでの問題はどうなった、というほどに全くこれまでのこの馬のレジスタンスがみられず、スムースなトランジションと馬場状態に左右されないスライディングであった。
 そして、2番手に付けたのは、Mr Smartmax 小林 孝之選手(千葉県)で、204.5ポイントと21歳の馬とは思えないショーイングであった。
 Mr Smartmaxは、1995年Brown Stallionで、Smart Little Lena(51Million Dollar Sire)の直子で、10年以上前のことになるが日本の大会で2度ほどオープンチャンピオンに輝いている名馬である。
 更に3番手に付けたのは、Dunit Pepper Doll 末廣 まどか選手(福岡県)で、Wednesday Ancillaryを有効に活用した片鱗を見せて、ランダウンでもコントロールを欠くことのないショーイングであった。

 Open 1st Go Round
トップに立ったのは、前大会休場で復帰第1戦となったEighty Six Classic 土岐田 勘次郎選手(千葉県) Owner 佐藤 一彦(千葉県)で、143.5ポイントを獲得し、この馬のポテンシャルとしては余裕充分といったショーイングであった。
 そしてまた、優勝圏内に止まったのは、Gold Flashy Bear 前原 汐里選手(福岡県) Owner 北村 栄作(大阪府)で、139.5と堅実にアヴェレージ得点をマークした。
 Gold Flashy Bearは、今大会からオーナーが移行し新しくカナディアンキャンプ(福岡県)所属となり、前原選手にとっても新しいオーナーにとっても初ショーイングであったが、幸先良い結果となったのではないだろうか。
 3番手は、Style With Me 土岐田 藍選手(千葉県)139.0ポイントで、優勝を狙えるところに付けることができて、2nd Goに期待が持てる。
 さらに、Caf Au Lait 前原 汐里選手 Owner 山口 信介が138.5と、この馬の著しい成長を見せた。
 このクラスの全体の印象としては、オープンクラスだけのことはあるスピードコントロールとスライディングストップがみられ、悪コンディション何するものぞと云ったプロフェッショナル魂を見せられたような気がした。

 The Day 2nd 6月24日
 Ancillary Class Ltd Non Pro DV
 Gold Flashy Bear 北村 栄作選手(福岡県)は、この馬を所有して初のショーイングであり、このクラスは1エントリーであったが、スコアを確実に獲得して、午後の本番に向かうというところであった。

 Ancillary Class Open DV
 Coco Kiddy 梅津 美希選手(福岡県) Owner 山口 信介が、スタイリッシュなスピンやサークルを見せて、見事211.0ポイントを獲得してチャンピオンに輝いた。
 プロフェッショナルとしてルーキーである梅津選手の成長は、昨年のWJCの記憶を辿れば信じられないほどであり、プロにとってもノンプロにとっても彼女の道程は、頂上を目指す者にとって良いサンプルになるのではないだろうか。
 今後の活躍が期待されるところである。

 Ltd Non Pro DV
 チャンピオンに輝いたのは、Dunit Pepper Doll 木崎 亜依選手(福岡県)で、204.5ポイントと高得点をマークした。
彼女は昨年数回このクラスにチャレンジして、優勝候補ナンバーワンと自他共に期待されながらトップになれなかったので、悔しさをここで一気に払拭した。
 残りWJCとPBC Final Sceneの成績如何では、グランドチャンピオンの期待も高まり、諸岡 辰浩選手(東京都)との争いが益々熾烈となって、目が離せないものとなった。
 そして、リザーブチャンピオンとなったのは、Smart Son 宮下 月見選手で、Smart Sonは1992年 Sorrel Geldingで、今年24歳となる。そして、コンディションもパフォーマンスも誠にグレートで、愛馬家の見本となる馬として称賛に値するのではないだろうか。
 3位に輝いたのは、Eighty Six Classic 佐藤 一彦選手(千葉県)で、佐藤選手は、何度もこのクラスで優勝を果たしているが、暫くショーイングから離れていて久々の参戦となった。
 馬のトレーニングが進み日々馬に乗るのが楽しみとなっているとのことで、そんな中でのショーカムバックであったが、とても充実した大会であったと語った。
 4位は、優勝候補と目されていたDance Hall Sally 諸岡 辰浩選手で、リードミスが出てしまって、ペナルティが嵩みこの順位に甘んじたことはとても悔しいことで、WJCでのリベンジを誓っていた。

 The Day Final 6月25日(土曜日)
 Non Pro DV 2nd Go Round
 日本一のノンプロライダーとホースの称号を与えられるこのクラスは、1st Go Roundの成績では、誰が栄冠を手にするのか見当がつかない混戦模様であった。
 
 そして、見事にNumber One of Japan の栄冠を手にしたのは、Mr Smartmax 小林 孝之選手で、 204.0ポイント、トータル408.5ポイントを獲得した。
 小林選手にとっては、何回もこれまでノンプロチャンピオンになっているにも関わらず、コングレスのノンプロクラスでの栄冠は初めてで、念願のチャンピオンレザージャケットを手にしたのであった。
 リザーブチャンピオンは、Dunit Pepper Doll 末廣 まどか選手で、2nd Go 202.0ポイント、トータル406.5ポイントと惜しくもチャンピオンを逃した。
 彼女には、成長著しいと表現するのは最早適切ではなく、安定的に優勝圏内にいるのが当然であるような存在になったといえる。
 3位に付けたのは、今年ノンプロへ昇進した川畑 弘清選手(東京都)Whiz N Pepで、今大会から新しいパートナーとなったWhiz N Pepを伴ってのショーイングであったが、グランドコンディションを苦にもしないスライディングストップには目を見張らせられた。

 Open DV 2nd Go Round
 チャンピオンは、Eighty Six Classic 土岐田 勘次郎選手 Owner 佐藤 一彦で、2nd Go 146.0ポイント、トータル 289.5ポイントを獲得し、土岐田選手は休場明けの復帰第1戦を飾った。
 Eighty Six Classicが持ち前のパフォーマンスとショーペンでの落ち着きが増して、1stGo で惜しくもスライディングで一瞬お尻がグランドタッチして0ポイントとなってしまったライバルホースであるディフェンディングチャンピオンのFifty Nifty Goldとこれからの優勝争いが面白そうである。
 リザーブチャンピオンは、Gold Flashy Bear 前原 汐里選手 Owner 北村 栄作で、2nd Goでは141.5ポイントと高得点をマークして、新オーナーを満足させるに値するショーイングであった。
 更に、3位はCaf Au Lait 前原 汐里選手 Owner 山口 信介で、2nd Go 137.5ポイント、トータル 276.0ポイントを獲得して、前原選手は2位3位を独占する快挙を成し遂げた。

 Team Roping Header Non Pro DV
 高得点連発のローピングで、3人が73.0ポイント獲得して、石山 真実選手(千葉県)・小林 孝之選手・ 土岐田 騰馬選手らが決勝戦に進出した。
 決勝戦では激烈な戦いが予想されたが、2人がキャッチングをミスしてあえなく撃沈、ラストエントリーとなった土岐田 騰馬選手は、ミスが許されないというプレッシャーに打ち勝って久々にチャンピオンに輝き、練習しなくても勝てるという変なジンクスを打ち立ててしまった。


 編集後記
 梅雨の季節とはいうものの不良馬場での開催となったが、ショーイングそのものに遜色はなく、馬のトレーニングの革新が水面下でこれを支えているように思えた。
 レイニング及びウエスタン乗馬の普及が叫ばれて久しいが、未だ混沌としているのは衆知のことである。
しかし、馬のクォリティとライダーのスキルアップが実現することが、これを現実化する基盤であることは間違いないだろう。
 プロフェッショナルとリーダーである事業主達の反省と精進があれば、それほどハードな仕事ではないはずで、何よりも関係者の志が腐っていてはどうにもならないようである。