PRBC
パシフィック ライディングホース ブリーダーズ コミュニティ

 去る2月26日、ホテル スプリングス 幕張にて The 3rd PBC Award 2010パーティーが、小林孝之氏の高らかな開会宣言により、幕を開けた。

 Grand Champion表彰パーティーも第3回目となり、2010年のレイニング、ティームローピングの各DVのGrand Champion Rider & Horseの表彰、そしてNon Proクラスにおいての最高峰を賞するNon Pro Rider 認定証の授与、そしてまた、出席者の投票で、4大会を通してのReining & Ropingのグランプリショットが決定されるPhoto Contestと、盛りだくさんの内容だった。

 暫くの歓談の後、いよいよ表彰式が始まった。

 ◆ローピング部門

 Non Pro DVでは、4戦中2戦のみ出場のハンディキャップを押して、グランドチャンピオンに輝いたのはRowdy長谷川で、3年連続のバックルを手にした。
 Rowdyは、昨年は1st Scene、EWPC Congressと二連覇を果たしたことが勝因と言える。


Rowdy選手(左)と新井競技委員長(右)

打倒Rowdyのかけ声の下、2011年は、益々激しい戦いが予想される。
 2011年は、Rowdyも全戦参戦のようだが、Rowdy不在の間に技術向上した選手達も多く、Rowdyにとっては、特に小林孝之選手の躍進が気になるらしく、油断しないように練習に励むとの弁だった。

 Green DVは、参加選手のレベルが拮抗していたために、大会毎にバックルを手にした選手が異なり、4人のチャンピオンの中から、Grand Championが生まれた。
 そんな混戦の中で、EWPC Congressの優勝が決め手となった中島徳三が、見事Grand Championとなった。

 ◆レイニング部門

 Ltd Non Pro DVは、Grand Champion Riderには早見秀代が栄冠に輝き、Grand Champion Horseでは、2頭同率首位となって、Whiz Tari(Owned By 増田明子)、Chics Smart Fine(Owned By ウエスタン安藤)が栄冠を手にした。

 早見のコメントによると、ここ最近のライディングで、手応えを感じられるような変化があり、毎回乗るのが楽しいとのこと。師の土岐田勘次郎氏に誉められるように励んでいきたいとのことであった。

 グランドチャンピオンホースのオーナーは、お二方共に欠席であったためコメントが寄せられた。
 Chics Smart Fineとのペアで出場されたのは安藤裕紀で、「毎週毎週、天気さえ悪くなければ乗っていて、毎回騎乗する毎に発見があり、反省点があり、思うように行かないことがあって、刺激的なことを与えてくれる愛馬に感謝です。」とのことであった。
 上達ぶりにも目を見張るものがあるに違いないと、予想させるようなコメントであった。
 
 Int Non Pro DVで、Grand Championの栄冠を手にしたのは、Whiz Tariと増田明子だ。
 増田は、レイニング/ローピング アマチュア部門において、出場したDVすべて優勝、勝率100%という驚異的な記録を打ち出し、見事年間6個のチャンピオンバックルを獲得した。

1st Scene Roping Green DV Champion
  Reining Ltd Non Pro DV Champion
  Reining Int Non Pro DV Champion
2nd Scene Reining Int Non Pro DV Champion
Final Scene Reining Int Non Pro DV Champion
2010 Reining Int Non Pro DV Grand Champion

 「EWPC Congressに出場できなかったことで、グランドチャンピオンになるのは難しいと思っていましたが、Tariが本当に良く頑張ってくれて、人馬共に最高の賞をいただけてとても嬉しいです。」というコメントが寄せられていた。
 大会最終日に行われる表彰パーティーでの歓喜の号泣が思い出される。

 アマチュア部門の最高峰のクラスのNon Pro DVは、名に相応しく出場選手も馬もレベルが高く、スコア140点越えが当たり前という勝負だった。
 そんな激しい戦いのなか、プラス得点を目指し攻撃的なパフォーマンスを見せて王座を勝ち取ったのが、新井俊一とDreams Of Chicsだ。


ハイレベルな戦いを制した新井選手

 Dreams Of Chicsは、2009年、2010年と連覇を遂げて、名馬の名にふさわしい不動の地位を確立したともいえる。
 新井にとっては、そんな名馬に乗って勝って当たり前というプレッシャーの中での演技だったが、後半戦頃から自分のペースでできるようになったのが勝因だったと、スピーチで振り返っていた。
 そして、2011年の抱負として、より一層暴れると宣言していた。

 OP/JR DV共にGrand Champion Riderに輝いたのは、土岐田勘次郎。

 Open DV で活躍しGrand Champion Horse に輝いたのはCajuns Moonshineで、オーナーの中島朋美が表彰を受け、壇上で喜びのスピーチをした。


Cajuns Moonshineのオーナー、中島氏

 Cajuns Moonshineは、Shining Sparkの直子の国内唯一のスタリオンだ。
昨年の大会での演技では、特にスライディングストップを持ち味とし、多くのジャッジにプラス1/2から1の評価を得ている。
 また、この馬はPRBCのインセンティブブリーディングスタリオンにも登録されているため、産駒が活躍するのもそう遠くないはずだ。

 Junior Horse DVのGrand Champion Horseに輝いたのは、Catman Pine。Spooks Catfishのファースト オフスプリングで、Sireであるスタリオンの期待を果たしたことになった。
 Spooks Catfishの産駒は2009年度からデビューし、PRBC創設から現在に至るまで総額380万円もの賞金を獲得している。
 中でもCatman Pineは、昨年2,244,000円の賞金を獲得してのタイトルとなった。

 ノンプロライダー認定証は、名実共にノンプロ部門の最高峰ライダーとして認定された者だけが受けることのできるもので、2011年の認定者は、5名であった。
 授与されたのは新井俊一、北村康男、増田明子、白井千鶴子、 小林孝之。


Non Pro Riderの面々。左から小林・白井・北村・新井 各選手

 ライダーとして参戦して初めて認定を受けた人が3人いて、小林孝之と白井千鶴子、そして増田明子である。
 当人達の弁ではまだまだだと謙遜していたが、列席の人達からは賞賛の拍手を浴びていた。

 毎年注目を集める競技委員会主催のフォトコンテストも、年々レベルが上がり、投票者を迷わせているようであった。
 これは、全記録写真の中から購入をされた写真が対象になり、その中から同委員会が選出したノミネート作品から、Award出席者の投票によってグランプリが決定する。 
 Open DVとNon Pro DVは、良い写真が多く投票者が選考に苦労したようで、何れもトップタイとなった。
 結果については、ホームページにアップされているので、是非ご覧頂きたい。
 
 本コミュニティは今年で4年目を迎え、4月からいよいよショーシーズンが始まる。

 今年もこうしてパーティーが盛り上がったのも、昨年の勝負が素晴らしいものだったからに違いない。
 そして、会員それぞれの思いがライディングに活きてこそ、来年の今頃迎えるパーティーにおいて、より旨い酒が飲めるよう、より楽しいひと時を過ごせるようになるだろう。