5月下旬に差し掛かり真夏の陽気を迎える中、第41回のコングレスが開催された。
本大会は、Eldorado Western Performance Club主催の大会で、日本ウエスタン乗馬界において、最も歴史が古く最もクォリティの高い競技会である。
■The Day 1st 5月22日(水)
午前11時より、ショーホース1頭あたり10分間ショーペンを独占して、スクーリングできるペイドウォームアップが執り行われ、3頭のエントリーがあった。
続いて、One Day Before Ancillary Class Non Pro DV と Open DVが各1頭のエントリーがあった。
これは、ショーイングスタイルで、パフォーマンスするもので、主に馬のスクーリングを目的にエントリーするものである。
ノンプロ部門では、Royalprincess ED 土岐田 藍(千葉県)がエントリーし、オープン部門では、Topsail Goldie 土岐田 騰馬(千葉県) Owned by 佐藤 一彦(千葉県)のエントリーがあった。
■The Day 2nd 5月23日(木)
Non Pro DV 1st Go Round
Just Dunit 石塚 泰子(千葉県)とRemarkable Step 増田 明子(千葉県)とが共にほぼアヴェレージのパフォーマンスで、138.5ポイントでトップタイとなった。
これに1ポイントビハインドで続いたのはRoyalprincess ED 土岐田 藍137.5ポイントで、3頭の優勝争いを呈したのであった。
Open DV 1stGo Round
ディフェンディングチャンピオンのSpooks Eldorado 土岐田 騰馬 Owned by 落合 身知子(埼玉県)は、キッキングの5ポイントペナルティを犯して、敢え無く優勝戦線から消えた。そして、トップに立ったのは、Topsail Goldie 土岐田 騰馬 Owned by佐藤 一彦で、140.5ポイントの堅実なショーイングぶりを披露した。
そして、これに続いたのは、Roughlysailorsfriend 土岐田 勘次郎(千葉県) Owned by Tiara Syndicate(千葉県)が136.5ポイント とChics Golden Du Lait 土岐田 勘次郎 Owned by 大貫 初美(千葉県)136.0ポイントで、4〜4.5ポイントのビハインドで、挽回はなかなか困難な様相となった。
■The Day 3rd 5月24日(金)
Ancillary Class Green DV
Chics Golden Du Lait 大貫 初美は、大会初出場で、乗馬歴ほぼ1年のルーキーライダーだが、全体的にはアヴェレージのショーイング70.0ポイントに限りなく近いものであったが、パターンの最後の最後のバックアップで90°以上ターンされてしまい敢え無くスコアは0ポイントとなってしまった。これは、称賛に値するショーイングといってもいいもので、これに続くルーキー達のモチベーションの引き金になって欲しいものである。
■The Day Final 5月25日(土)
Non Pro DV 2nd Go Round
優勝の栄冠は、Just Dunit 石塚 泰子 138.5ポイント トータル277.0ポイントで、ライダーの感覚(フィール)がこの優勝をもたらしたといってもいいショーイングであった。
ライダーのレインを持つ指先に、心が通って馬のコントロールする瞬間を垣間見ることができたショーイングで、その成果が優勝をもたらしたことは、ライダー自身だけではなく、多くのノンプロライダーの指標になることだろう。
石塚選手の目覚めは、Just Dunitのレイニングホースとしてのクォリティーの高さからいって、他の追随を許さないことに繋がるのではないだろうか。
Open DV 2nd Go Round
ドローナンバーファーストのChics Golden Du Lait 土岐田 勘次郎 Owned by 大貫 初美で、144.0ポイント トータル 280.0ポイントをマークするサークルの果敢なスピードコントロールとディープなストップのパフォーマンスで、1stGo でトップに立っていた Topsail Goldieに大きなプレッシャーを掛ける局面が作られたのであった。
そして、Topsail Goldie 土岐田 騰馬 Owned by佐藤 一彦のドローの順番になって、観客の目は、果たしてそのパフォーマンスは如何にとGoldieに向けられる中で、レフトのスピードサークルが始まった。スモールスローに突入するそのとき事件が起きたのであった。後肢の歩様に躓きが出てロングリードとなって2ポイントのペナルティを犯してしまったのである。
この瞬間に、Chics Golden Du Laitの優勝の栄冠が、舞い降りてきたのであった。そして、Topsail Goldieは、リザーブチャンピオンに甘んじる結果となったのである。
Team Roping Header Non Pro DV
初エントリーの大貫 初美は、Green DVのエントリーが他にないこともあって、大会初出場ながら果敢にノンプロにエントリーしたのであった。そして、その腕前も充分なクォリティを誇っており、優勝の期待もあったほどである。
しかしながら、予選2回の挑戦もルーズキャトルとなって、その栄光は先送りとなってしまったのである。
さて、今大会のローピングは、新人の参加という刺激があったせいか、全体的にできが良かったように感じた。
石山 真実 72.0ポイント、土岐田 騰馬72.5ポイントの二人が高得点を獲得して予選を通過した。
そして決勝戦は、第1回のチャレンジでは、共にルーズキャトルとなって、第2回のチャレンジで、土岐田 騰馬は、ルーズキャトル、石山 真実は、71.5ポイントをマークして、優勝を果たした。
「編集後記」
良好なコンディションで大会を挙行することができた今大会は、スコアの高得点には及びませんでしたが、その兆しの垣間見えるものであった。
各ライダーの研鑽が実を結びつつあるように感じた大会で、「全てのライダーは、調教師」という思想心情が定着を見たように思う。
次回大会からは、2024年サーキットの後半戦に突入するわけだが、期待に胸が躍る思いである。