PRBC
パシフィック ライディングホース ブリーダーズ コミュニティ

Reining Non Pro DV Grand Champion
Rider : Ai Tokita
Horse : Spooks Serenade/Owned by Ai Tokita

■Riders Profile

  • Ai Tokita
  • 馬暦 28年
  • PRBC プロフェッショナルとしてスタートし、2018年にNon Pro Riderに転向。
  • 2018・2019・2021 Reining Non Pro DV Grand Champion

■Horse Profile

  • Spooks Serenade
  • 2008 AQHA Stallion
  • Sire Spooks Catfish(Offspring Earning, over ¥9,000,000.)
    By Grays Starlight (NRHA million dollar sire)
  • Dam Hollywood Saranade
    By Hollywood Dun It(NRHA 6million dollar sire)

 本年通して4戦3勝と結果だけ見れば圧倒的な勝利であったが、実際には2nd Sceneまでは、Grand Re Championである石山真実選手とMoonlights Sailorとの接戦で、最後までどちらに軍配があがるか想像できない状況であった。
 一番の不安要素は、馬の大会経験値が、他の出場馬と比べて低いことである。

 Spooks Serenadeは遅咲きの名馬で、トレーニング中の故障によりなかなか調教が進まなかったことから、復帰するまでは種牡馬だったこともあり繁殖のみ行っていた。それを2021年に再起し、その年の成績はOpen DV で年間3位となった馬である。
 このような背景もあり、ポテンシャルはあれども、大会に出場した回数は、2021年終了時点で4戦しかしてないまま2022年の参戦となったのである。
 なぜこれが不利かというと、例えばデビュー戦の馬にとって最初の試練は、ショーイング時に単騎で馬場に入場した際の雰囲気に負けてしまうかどうかだからである。いくらレイニングにおけるパフォーマンスを身に着けていたとしても、場の雰囲気に精神的な敗北をしてしまうと、たちまち大会そのものを嫌いになってしまい、最悪「ショーサワー」と呼ばれるいわば大会恐怖症に陥ってしまう。これになってしまうと治すのは困難で時間を要し、症状によっては二度と治らないケースもある。
 点数を何点取るかよりも場の雰囲気に負けない馬として、その馬の主導権をライダーが十分握りながらショーイングしていくことが、他のベテラン馬と比べ非常に重要な命題となっていたということだ。
 その為、今年の初戦から兄である担当トレーナー土岐田 騰馬氏に徹底的に言われていたのは点数よりも必ず馬をコントロール下において走行するということだった。
 なぜなら、全てのパフォーマンスには難易度が存在し、それぞれ馬には平然とできる難易度の技と、難易度に耐えられず興奮してしまう技とある。例えば馬の潜在能力としてプラス1レベルの高速スピンはできるが、その後興奮してじっとしていられなくなってしまうケースがある。それは馬それぞれで、何が長所で何が短所かは1頭ごとに違うことなのだ。即ち、どの難易度の演技は平然とできて、どの難易度は興奮してしまうのかをよく見極めて演技や準備運動をしていくことが重要だということだ。
 結局それは、大会経験がベテランの馬であってもリスクは同様にあることなのだが、最終的にグランドチャンピオンになるためには、大会の度にリスクを減らしていき、不安要素を考慮せずに満足に攻めていけるようショーイングをできる馬にすることであり、そのような状態になれば馬のポテンシャルが充分あることから常勝していくのも夢ではなく、ハイスコアを取ることよりもそこが最も重要なことだったのだ。
 そういった背景もあり、当の藍選手が馬をコントロール下に置くことを希薄にショーイングした場合、例えハイスコアを獲っても兄である担当トレーナーに怒られ、ロースコアでもコントロール下において走行していればお咎めなしで、次は良いショーイングになるだろうと云うことでの1戦1戦であった。
 1戦毎に着実に経験を積み重ねて、Final Sceneの2nd goは1年のなかで最も難易度を高めた攻めのショーイングを行い、スコア144.0で優勝することができた。

 海外ではNon Pro Futurityもあり、ノンプロライダーであっても新馬に乗る以上は、馬の能力やメンタルを考慮しながら乗っていくのは、必要不可欠で非常に重要になる。
 しかし、こういった考慮が馬のパフォーマンスを最大限に引き出すこととなるのだろう。
 今年の経験値を経て同選手や同馬が更なる活躍を、来年見せてくれるのを期待したい。

PRBC広報委員会

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