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パシフィック ライディングホース ブリーダーズ コミュニティ

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The 32nd EWPC Congress '15
大会レポート

 去る6月25日(木曜日)から27日(土曜日)の3日間に亘って、今年もコングレスが梅雨空の中で開催された。

 The Day 1st 6月25日(木曜日)

 大会会長のメッセージが朗読され、そして全員起立と脱帽で日本国旗に敬礼し、国歌斉唱して開幕した。

 やや重状態の馬場コンディションで始まったが、意外に回復が早く昼過ぎにはベストコンディションとなった。

 Non Pro DV 1st Go Round

 初日の結果は団子状態で、Caf King Jac 小林 孝之(千葉県)が207.5ポイントでトップ、Gold Flashy Bear 増田 明子(千葉県) 205.5ポイントで2位、Black Caf 落合 身知子(埼玉県)が204.5ポイントで3位と、2nd Go の勝負にかけるという戦略であったためか少々迫力に欠けた感は否めなかったが、それぞれに馬の特長を活かしたパフォーマンスで、Kingはサークルのスピードコントロールとストップ、Gold Flashyはメンタルにリスクのない安心感とサークルのスピードコントロール、Blackはディープなストップとスピーディーなスピンが見ることができた。

 Open DV 1st Go Round

 1st Goは、スローなサークルで始まりスピードサークルからチェンジリードの直後にスモールスローサークルという難度の高いパターン9で、馬の従順性と集中度が求められるものであった。

 このパターンで1歩飛び抜けて218.0ポイントの高得点を獲得したのは、ディフェンディングチャンピオンのStyle With Me 土岐田 勘次郎(千葉県)(Owned by SWM Syndicate)で見事なスピードコントロールとディープなストップで、観客を魅了した。

 そして、Shesa Reincarnation 袴田 桂子(千葉県)(Owned by SR Syndicate)が 213.5ポイントで、スムーズなトランジションと美しいストップで2位に付けた。
更に、もう一頭のディフェンディングチャンピオンのEighty Six Classic 土岐田 勘次郎(Owned by 佐藤 一彦)が212.5ポイントで3位に付け、2nd Goでの大逆転を狙う様相を呈した。

 そして、前回の1st Sceneで圧巻のスライディングストップを見せたWhiz Sugar Dun 土岐田 騰馬(Owned by 袴田 桂子)が206.5ポイントと出遅れた感があったが、スタイリッシュなスライディングストップは健在であった。

 The Day 2nd  6月26日(金曜日)

 Ancillary Open DV

コンセントレーションをキープすることを目的としたショーイングで145.0ポイントの高得点を出したBlack Caf 土岐田 勘次郎(Owned by 落合 身知子)がチャンピオンに輝いた。

 また、2位に付けたDunit Pepper Doll 前原 汐里(福岡県) (Owned by Cloud Nine) は、この馬がNon Pro DVの1stGo で、ランダウンの際にアウトオブコントロールするところが見受けられたために、これを修正する目的でコンセントレーションをキープしたショーイングであった。

 Green DV

 今大会で最も素晴らしいショーイングと感じたのは、このクラスのチャンピオンに輝いたStyle With Me 諸岡 辰浩(東京都)で、申し分のないサークルのスピードコントロールと+1に匹敵するスライディングストップを見せてくれた。

 Ltd Non Pro DV

 このクラスも、グリーンに負けず劣らずの見栄えのするパフォーマンスを見ることができた。
 そして、チャンピオンに輝いたのは、Shesa Reincarnation 川畑 弘清(東京都)で、サークル スピン ストップともに素晴らしいできであった上に、何といっても次のマヌーバーへのトランジションのスムーズさは際だっていた。

 2位に付けたのは、Primary Dunit 岡崎 喜一(福岡県)で、少々サークルにラフさが見られたものの、この馬の得意なスライディングストップで得点して次回のチャンピオン席を予約したできだった。

 そして、優勝を宣言して九州から参戦してきたDunit Pepper Doll 木崎 亜依(福岡県)は、ブレークゲイトがあってパフォーマンスはグリーンライダーとは思えないできだったが、3位に泣いた。

 グリーンとリミテドのクラスは、ライダーがビギナーであるために、バランスやコンタクトにラフなところが見られるものだが、馬のクォリティが際立っていると、ライダーの未熟さをカバーして余りある典型を見たような気がする。
 ビギナーライダーこそ優れた馬に乗るべきだという証明で、このことによってライダーの満足は勿論、その後のビギナーライダーの乗馬人生を決定付けるほどの重要性を見せつけられた気がする。

 Team Roping Header Non Pro DV

 いきなり73.0ポイントの高得点をマークしてトップに立ったのが石山 真実(千葉県)で、スィング&スローイング・キャッチング・ダリーの3マヌーバー全て+1のパフォーマンスで、ファイナルへの指定席を確保した。
 これに続いたのが昨年のグランドチャンピオンの小林 孝之(千葉県)で、無難にまとめてファイナルへ駒を進めた。

 ファイナルは、石山と小林が見事なスローイングでタイスコアとなって、ロープオフに突入し、このままでは決着がつきそうにない様相を呈してきたので、ロングホーンキャトルにチェンジしてのパフォーマンスとなった。

 一騎打ちのプレッシャーの掛かる局面で、石山がミスキャッチして脱落、更にプレッシャーの掛かるところであったがベテランの小林が正確にキャッチングして、チャンピオン席に着いた。

 The Day Final 6月27日(土曜日)

 初日二日目とベストコンディションであった馬場が、昨夜の雨で不良コンディションになって最終日を迎えることとなってしまった。

 Non Pro DV  2nd Go Round

 トップスコアをマークして優勝を狙いたいところであったCaf King Jac 小林 孝之は、もう少しでオフパターンをしてしまいそうな大きなミスして、トップに抜け出すような得点を獲得できず、最後まで混沌とした優勝争いとなった。

 また、優勝圏内にいたBlack Caf 落合 身知子(埼玉県) は、スピン・ストップと得点を稼げるパフォーマンスを見せながらもリードミスをしてしまって優勝争いから脱落した。

 1stGo で、2位に付けていたGold Flashy Bear 増田 明子(千葉県)が、確実なパフォーマンスで大きなミスなく無難にこなした結果、Caf King Jacとタイスコアとなって、ランオフに突入することとなった。

 そうして、息を呑む瞬間がやってきたのである。

 増田本人がランオフになることを予想だにしていなかったため、1st SectionでショーイングしていたGold Flashy Bearは体を冷やしてしまっていたので、ランオフに向かってチャップスを付ける時間を惜しんでウォームアップに専念していた。

 一方のCaf King Jac 小林は、淡々とランオフに向かって速歩をしながらイメージトレーニングに専念していた。

 ドローは増田が最初でその後に小林という順で、ショーイングは双方とも馬の疲れが見えて切れの良いパフォーマンスとは言い難かったが、それでもGold Flashy Bear 増田 明子が1歩先んじて、Non Pro Championという栄光の座につき、乗馬歴18年にして初の快挙を成し遂げた。

 ニュースターの誕生の瞬間であった。

 Open DV 2nd Go Round

 1st Go で1歩先んじていたStyle With Meと土岐田 勘次郎は、馬に多少疲労があったのかブレークゲイトという大きなペナルティを期して、得点を伸ばすことができず2位に甘んじた。

 そしてEighty Six Classic土岐田 勘次郎が、馬場のコンディションをはね除けて214.5ポイント トータル427.0ポイントを獲得して、1stSceneとコングレスと連覇を成し遂げた。

 3位は、Shesa Reincarnation 袴田 桂子で、馬場コンディションのせいで持ち味のストップに精彩なく、追い上げができず優勝を逃してしまった。

 また、Whiz Sugar Dun 土岐田 騰馬は、セカンド ゴーでも馬場状況にも影響されない見事なスライディングを見せてくれた。

 各ディヴィジョンの馬の入場する姿が、これまでとは格段に違ってきたように感じた。

 クォリティの高さというのは、パフォーマンスで見えるものだと思っていたが、意外なところで人は感銘を受けるようである。
馬がとても柔軟で小さなレインコンタクトに俊敏に反応している姿は、その直後に見せてくれるパフォーマンスのレベルの高さを予感させてくれるもののようだ。

 近い将来というより次の大会で、著しくレベルアップしたパフォーマンスが見られるに違いない。そんな予感をさせられた大会であった。